かぜの予防

 

うがい:インフルエンザのウイルスは気道の粘膜に取り付くと約20分で細胞の中に取り込まれてしまいます。また、インフルエンザのウイルスはのどの粘膜よりも鼻の粘膜から高頻度に検出されます。うがいそのものは効果的なのですが、20分おきにうがいをすることは現実的とは言えず、また、鼻粘膜はうがいで洗い落とすことができませんので、残念ながらうがいの効果は限られています。

マスク:咳1回で約10万個、くしゃみ1回で約200万個のウィルスが、また、くしゃみでは3m、咳では2m先まで放出されます。しかし、ウイルスの大きさはマスクを通過できないほど大きくありません。ですから、マスクをすることで、ウイルスを完全にシャットアウトする事はできませんが、咳やくしゃみでばらまかれるウイルスの範囲を狭くする程度の効果はあります。マスクを使用することで、ウィルスの侵入を約3割減らすことができるそうです。また、マスクは吐く息で湿っておりますので、吸気に湿気を与え、吸気の温度を上昇させます。したがって、マスクは万能ではありませんが、そこそこの効果は期待できます。

保温:寒いところでは、鼻・のど・気管などの血管が収縮して線毛の動きが鈍くなります。線毛はウイルスや細菌の侵入をできるだけ少なくする働きをしますので、線毛の働きが悪くなるとウイルスが侵入しやすくなります。したがって、保温は風邪の予防に十分価値があると言えます。但し暖めすぎは逆効果ですので、ご注意下さい。

加湿:風邪のウイルスの中でも、冬に流行するインフルエンザウイルスなどは湿度に極めて弱い性質がありますので、部屋の湿度を上げることは、インフルエンザの予防に非常に効果的です。冬は湿度が下がっている上に、クリーンヒーターなどの普及、住宅事情の変化により冬の一般家庭の部屋の湿度は非常に低くなっておりますので、加湿器や洗濯物を室内に干すなどで、お部屋の湿度を上げる努力をする事をお勧めします。一方夏に流行するウイルスは、高湿度が大好きですのでご注意下さい。

参考1:ある実験によると、閉め切った大きな箱の中を湿度20%、温度20度に設定してインフルエンザウイルスを吹き込み、6時間後に調べると70%近くのウイルスが生きていますが、温度は変えず、湿度を50%以上に上げると3%のウイルスしか生きていませんでした。次に湿度は20%にして温度を32度にすると17%に減っていました。

手洗い:インフルエンザのウイルスは手や顔、衣類等にも付着します。カラオケボックスのマイクや電車の吊革、公衆電話の受話器などには非常に多数のウイルスが付着しています。手で目をこすったり、鼻をいじったりすることも感染経路の1つですので、帰宅後に石鹸で手や顔を洗うことは、意外と効果的です。

人混みを避ける:人が多く集まる所では、中には風邪をひいている方もいるわけですので、風邪のウイルスに接触する機会が多くなります。ですから、できるだけ感染の機会を低くするために、人混みを避け、またそのような場所から帰ったら、上述のように手洗い、うがいなどを励行する事は、風邪の予防に効果的です。

その他:風邪の治療の基本は、安静・保温・栄養&水分の補給の3つと言われます。無理をしないで、十分な睡眠をとり、栄養のバランスを考慮した食事などは、基本的な対策として必要な事は言うまでもありません。