健康保険証をカード化 ひとりに1枚、病歴など記録可能に/厚労省

  厚労省は6日、原則として1世帯に1枚交付されている健康保険証について、2001年4月以降の更新時から1人につき1枚のカードを配る方針を決めた。保健医療分野のIT(情報技術)化を進め、患者と医療機関双方の利便を図るのが狙い。(前)坂口厚相が同日、中央社会保険医療協議会(厚相の諮問機関)にカード化導入のための省令改正を諮問し、了承を得た。

 カードの種類は、IC(集積回路)や磁気などが検討されているが、材質や形状については市町村や健康保険組合など医療保険の運営主体が選ぶ。大きさは金融機関のキャッシュカード大となりそうだ。

 カードには、氏名や生年月日など現行の保険証の記載事項に加え、健康診断・検査の結果や既往症などを記録すれば、診療にも役立つ。このため、厚労省としては、緊急連絡先や血液型、薬品の副作用歴やアレルギー情報、体力測定の結果など、必要な情報を書き込めるICカードの導入を推進したい考えだ。

 個人カード化し、全員が携帯できるようになるため、医療機関にかかりやすくなり、家族が同じ時間に別の病院に行くことも可能になる。

 医療機関にとっては、独自に診察券などを発行する手間がなくなり、カルテの検索や会計処理の効率化が図れる。さらに、健康保険証番号をカルテに記載する際の転記ミス、診療報酬の請求ミスなどを防ぐことができる。 しかし、病歴などが盛り込まれると、プライバシーの保護対策などが課題となる。

 また、ICカード化については、多額の財源が必要となり、財政状況が厳しい医療保険にとって早期の導入は困難と見られる。 このため、厚労省は一定の移行期間を設け、現行方式との併用を認める方針だ。

2000/12/6 東京読売新聞(ページ:1)