委員長:えー、本日は第○合議体の第○回目の審査会を開催します。審査対象者はXX名です。・・・それではさっそくはじめたいと思います。

(合議体とは保健・医療・福祉関係で仕事をしている人々の中から選出された各委員の方々、広域連合の方々から構成されるユニットであり、東国東郡では10合議体あります。月曜から金曜までの毎日、いずれかの合議体が審査会を開催しているわけで、2週間で各合議体が一回りします。したがって2週間に1回の割合で各委員は自分の属する合議体での審査会に出席することになります。)

委員長:ケース1は○才、○性、1次判定結果での要介護度は○度になっております。現在利用中のサービスは、・・・・・。それでは、ご意見をお願いします。

(1次判定とは?・・・訪問調査員の聞き取り調査した訪問調査結果が、あらかじめ広域連合の方に提出されており、この結果がコンピューターに入力されて計算された結果出た判定が1次判定とよばれる。つまり機械による判定である。この後、審査会にこの1次判定結果、かかりつけ医の意見書、訪問調査員の書いた特記事項の3つが審査資料として、各申請者ごとに閉じられた資料として配られる。)

委員A:えー、かかりつけ医の意見書では、下肢筋力の低下が中等度となっていますが、訪問調査票には麻痺の項目にあがってきておりません。この点をどう評価されますか?

委員B:立ち上がり、起き上がりは「できる」になっていますし、屋内では杖や、つかまり歩行なしで5mは自立歩行できているようですので、これはとらなくてもいいんじゃないでしょうか?

委員C:でも、日差変動があると、意見書にはかかれております。たまたま、調査日には調子がよかったのでは?

委員長:病名に脊柱管狭窄症で通院治療中とあります。下肢神経痛や麻痺に順ずる筋力低下はあってしかるべきですね。

委員A:調査員の特記事項に、手をついて支えるようにして立つとあります。また、かかりつけ医意見書に、すり足で転倒しやすいとあります。やはり麻痺ととってもいいのではないかと思います。

・・・ ・・・ ・・・・・・・・ ・・・・ ・・・。

委員長:それでは、決を採りたいと思います。麻痺ととってもよいとお思いの審査員は挙手をお願いします。・・・・・ ・・・。

では、コンピューターに調査結果の一部修正を入力お願いします。

他に、ご意見はありませんか?・・・・・・・・・・

 

                                      とまあ、こんな感じで延々2時間余りで20例ちかくの症例を判定していくわけである。まさに紙の上の書類選考みたいなものだ。