Q&A:健康なんでも相談のコーナー
      
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1.コレステロールが正常値より高い値のままではいけないのか?どれくらいならいいのか。

2.血糖値が高いと言われた。糖尿病だろうか?心配です。

3.超音波(エコー)検査って一体何がわかるの?

4.検尿(おしっこの検査)でタンパク、潜血(目に見えない血液が混じる)があると言われた。

5.便の潜血反応が陽性と言われた。しかし、再検査で陰性だったので精密検査はしなくてよいか?

6.GOT、GPT、γ-GTPなどの肝機能検査で、ちょっとした異常があるが心配ないだろうと言われた。

7.尿酸値が高いので生活態度を改めるように言われた。

8.白血球数が多いので精密検査するように言われた。

9.貧血症だと指摘された。野菜やレバーを食べればいいのだろうか?

10.喘息で吸入薬をもらっています。発作のとき何回くらいまでなら使用できますか?

11.「胸やけ」の症状で眠れません。あるいは、ここのところ胸やけがして困っているのですが?

12.下腹が時々痛みます。心配ないでしょうか?

13.血圧がどのくらいだとお薬を飲む必要がありますか?また飲み始めたら止められないの?

14.めまい・ふらふら感がします。歩くとき宙に浮いたような感じです。まっすぐ歩きにくいです。

15.息切れがする。

16.アルコール飲酒はどれくらいまでならよいですか。

17.鼻水・くしゃみで悩んでいますが、みんなが花粉症で苦労する頃より少しずれます。なぜ?

18.ちかごろ手が震えるようにある。何か病気?

19.胃に潰瘍ができている-と言われました。薬で治るのでしょうか?

20.胃の中に棲むピロリ菌って何ですか? 何か悪さをするの!?

21.骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と言われました。治療が必要ですか?

22.高血圧で治療中ですが、下の血圧が高いといわれました。なぜですか?

23.中性脂肪が高い値で、エコー検査で脂肪肝と言われた。これはコレステロールとは関係ないの?

24.体脂肪率って何ですか。近頃はよく体重計に付属して測れるようになっているものもあるようですが・・・?

25.手のしびれ、足のしびれがとれません。整形外科へ通院治療しても治りません。MRIで神経は異常ないそうです。

26.高血圧で治療中ですが、上の血圧が180〜200近くあり、下の血圧も高く(110〜120)心配です。

27.帯状疱疹ができました。後遺症が長引く場合があると聞きましたが・・・。また再発もあるんですか?

28.パーキンソン病ってどんな病気ですか?

29.嘔吐下痢症が流行っていると聞きましたが、どんな病気ですか?

30.花粉症の正しい予防法を知りたい。

 

 

1.コレステロールが正常値より高い値のままではいけないのか?どれくらいならいいのか。

    上限は220です。ただし240くらいまでなら食事療法や運動療法で下がることもあります。

    でも問題は背景に高血圧・肥満・糖尿病・脂肪肝などの基礎疾患あるいは合併症がある場合です。民間療法に頼る前に一度かかりつけの医師(ホームドクター)に相談しましょう。

    この春からLDLーC(悪玉コレステロール)が保険適応となり、保険で測れるので一度チェックしておくことをおすすめします。なお「高血圧・肥満・糖尿病・高脂血症」は死の四重奏と呼ばれています。あなたにこの4つはありませんか? 

  また高脂血症にはパターンがあり、リポ蛋白分画を調べてもらうとはっきりします。アディポネクチン測定もメタボ健診では重要です。

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2.血糖値が高いと言われた。糖尿病だろうか?心配です。

    血糖値は随時血糖で200mg/dl以上、食前血糖で140mg/dl以上だと糖尿病の疑いが濃厚です。IDDM(インスリン注射の必要な糖尿病)よりもNIDDM(運動療法・食事療法・内服などでコントロール出来る糖尿病)の方が圧倒的に多いです。インスリン分泌量の測定や抗GAD抗体のチェックにより判定出来ます。生活習慣病として今最も注目され、問題とされている病気であり、その患者数は増加の一途をたどっています。

  治療が実際に必要かどうかは、糖負荷試験や 1日血糖検査(ターゲス)のチェック、HbA1c (ヘモグロビン・エーワンシー)を調べることで手軽に診断できます。糖尿病は症状「口渇(ノドが渇く)・多飲(やたら水分をとる)・多尿(おしっこの量が多い)・体重減少」があるとは限りません。また、合併症が大変恐ろしい病気ですから注意が肝要です。

  今は、糖化アルブミン、1・5AG、フルクトサミンなど、さまざまな血糖コントロールのための指標が開発されており、外来でも病状の変化がつかみ易くなりました。食後高血糖はチェック見逃しやすいので、食後1〜2時間の血糖も重要です。

    知らぬ間にいつのまにかストレス、運動不足、肥満、脂肪肝などが糖尿病を引き起こしているかもしれません。

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3.超音波(エコー)検査って一体何がわかるの?

    腹部エコーでは肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、膀胱、前立腺また乳腺エコーや頸動脈エコーもチェックできます。関節エコーや心臓エコーもチェック出来ます。それらの病気の診断が出来ます。癌、胆石、胆嚢ポリープ、肝硬変、嚢胞、結石などは最もありふれた疾患として、エコーで見つかります。

 重要なことは、血液検査で発見出来なかった病気が見つかることが多々あることです。ですから検診などによく用いられます。

    慢性肝炎や肝硬変の患者さんは、必ず3ヶ月に1回はエコーで肝臓を検査してもらうことを忘れないようにして下さい。C型肝炎の方は厳重に注意です。 

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4.検尿(おしっこの検査)でタンパク、潜血(目に見えない血液が混じる)があると言われた。

    潜血やタンパクが尿に出ることは時々ならば正常な人にもあることで特に心配はいりません。ただし、運動後や重労働後、マラソン後などに決まって出たり、ひどくなったりは「遊走腎」といって体の中の後腹膜腔での腎臓の固定が甘い場合に腎臓が揺すられて出ることがあります。これは泌尿器科の病気です。

     一方、持続的な(いつ調べてもという意味で)タンパク尿、潜血尿は慢性の腎炎、腎不全の初期のことがあり注意が必要です。尿中アルブミンなど特殊な物質の定量検査でそれらが否定できないときには腎臓病の専門医を紹介することになります。

 学童でも特にそうですし、成人でもそれ以外にエコー検査くらいはしておかないと、膀胱癌、ポリープ、前立腺癌などを見過ごしてしまうことになりかねません。 

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5.便の潜血反応が陽性と言われた。しかし、再検査で陰性だったので精密検査はしなくてよいか?

    それは勘違いをされています。もともと今の便潜血検査はヒトヘモグロビン法なので1回でも陽性だったら、それは大腸の何らかの出血であることには間違いありません。上部消化管からの出血の可能性も大腸よりは少ないくらいです。間髪をいれずに大腸の内視鏡検査を受けることです。

    それで異常なしならよし。ひょっとしたら大腸癌、大腸ポリープ、大腸炎などが見つかるかも知れません。

 今は内視鏡下手術が日常的に行われる時代になりましたから、うまくすれば病気があってもおなかを切らずにすむかも知れません。・・・といっても早期(初期)の場合ですよ。ですから、案じているよりはまず、検査です。 

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6.GOT、GPT、γ-GTPなどの肝機能検査で、ちょっとした異常があるが心配ないだろうと言われた。

    ホームドクターがそうおっしゃったのなら心配ないと思います。ただ、「ちょっとした異常」の中に肝硬変が、あるいは初期の慢性肝炎(初期ならインターフェロンの効果もより期待できるのです。)が隠れていることがあり、うっかり見過ごすと損です。

まれに多発性筋炎や甲状腺などの病気のこともあります。

 肝臓病の心得のある先生に診てもらっておいた方が安心でしょう。あなたの先生がもしそうなら何の問題もありませんね。 

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7.尿酸値が高いので生活態度を改めるように言われた。

  尿酸値が高値を示す原因は飲酒と肉食中心の食生活です。7mg/dl を越えると異常値です。7以下に下げておくことが重要です!しかし尿酸値が正常でも、結石が出来たり痛風発作を起こす人はいますので、これは体質です。検査の正常値というのは標準偏差をもった参考値にすぎませんので。

    高尿酸血症が続くと関節炎・痛風・尿路結石・腎臓障害などが生じてきます。食生活を見直して、飲酒も控えましょう。また、尿酸値を下げるお薬もあります。服用については、主治医の先生に相談して下さい。 また尿が酸性に傾くと結石が出来やすくなるのでアルカリにするお薬も出ています。

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8.白血球数が多いので精密検査するように言われた。

    健診で白血球数が1万以上を示す人のほとんどは喫煙者です。喫煙者では白血球数が上昇することが知られています。

 しかし中には血液の病気が隠れていることがあるので、数だけでなく赤血球・白血球の形態や分類(種類)を観察し、NAPスコアをチェックするなど、必要があれば骨髄穿刺液を採取して検査センターに回す必要のある場合もでてきます。

 数が少ない場合も同様に精査が必要ですが、いずれにしても経過を追って再検することで恒常的な異常かどうか知れる。以外と肝臓病、膠原病などが見つかることもある。   

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9.貧血症だと指摘された。野菜やレバーを食べればいいのだろうか?

    鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、また希に骨髄異形性症候群(MDS)や白血病などが血液の病気としてみられ、それ以外の二次的原因として消化管の潰瘍、癌あるいはビランや痔などによる慢性的な出血のために起こる症候性貧血が代表的な原因です。女性の場合、子宮筋腫・子宮内膜症などがあることもあり、一度、婦人科の受診もおすすめします。

 精査としては血液・尿・便の検査に加え必要ならば、消化管の検査も行うべきでしょう。 

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10.喘息で吸入薬をもらっています。発作のとき何回くらいまでなら使用できますか?

    1回吸入したら20〜30分は間隔を空けてから吸入すべきです。なお、1回の吸入回数は2回(2パフ)までにして下さい。ただし、改善しないのにこれに頼りすぎると大発作につながりかねません。2〜3時間ねばってもダメだなと思ったら早めに医師の診察を受けることです。また、1日に8回以上の吸入は続けるべきではなく、そんな時は体調がかなり悪くなっているので医師に早めに相談して下さい。

 ピークフロー日記をメモすると自分のコンディションが把握出来てよいのですが、なかなかこれは皆さん守ってくれません。吸入ステロイド薬の意義についても、これは効かないなどと勘違いしてこちらの思惑通りに使えないようです。とにかく教育です。自己養生です。

 それと、風邪をひいたときに解熱・消炎・鎮痛剤によってはひどい発作を起こす、「アスピリン喘息」の人が増えたような印象を受けます。自分の主治医をキチンと持って何事も信頼して相談しましょう。

 吸入薬の苦手な人や吸入器具(インスパイアなど)が、かさばってイヤという方には、最近、新しくロタディスク形式のものが出ました。主治医と相談してみて下さい。

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11.「胸やけ」の症状で眠れません。あるいは、ここのところ胸やけがして困っているのですが?

    逆流性食道炎のことが多いのです。内視鏡(胃カメラ)で調べると、食道への胃液の逆流により、食道粘膜の炎症・ビラン・潰瘍を生じており、灼熱感や酸っぱいものが上がってくる感じやみぞおちの痛みとして自覚されます。

 いろんな原因で胃液の逆流は起こります。姿勢、食べ物、薬、体型、習慣などが原因になります。こんな患者さんには生活指導と内服治療を行います。原因を避けて、治療薬を続けることで治ります。(うれしいことにこの病気には特効薬があり、このほど厚生省が長期投薬を認めました。)寝る前のコーヒー・タバコ、間食など胃を刺激して胃液の分泌を増やすような習慣は止めましょう。また、食後すぐに横になるのも禁物です。

この病気は高齢になれば増えます。またヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を行った後にも起こることがあります。 

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12.下腹が時々痛みます。心配ないでしょうか?

    お通じの調子はいかがですか?便秘気味のほうですか?下痢気味のほう?それとも調子はいいほうでしょうか。腸のことは腸に聞け!・・・ということで、まず大腸の検査を受けてみることです。

    それで異常なければ、腸を動かす自律神経のバランス異常というわけですから薬を4〜5ヶ月飲んでいれば調子がもどってきます。この「過敏性大腸炎」という病気は現代病として増えています。

    今の社会、何かとストレスが多いせいでしょう。 

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13.血圧がどのくらいだとお薬を飲む必要がありますか?また飲み始めたら止められないの?

   血圧の目安は成人では 年齢+90 mmHg(ほぼ年齢に90を足した値)だと言われます。これだと60歳の人で150ですから、60で高血圧の仲間入りというのが自然な生理現象となりますが実際には、もっと若くして150を越える血圧の方は大勢いらっしゃいます。

 食生活・文化が豊かになって高血圧症にかかる人が増えたのです。塩分の摂りすぎ、運動不足、ストレス、生活リズムの乱れ、肥満、睡眠不足(SASを含む)などなど血圧を上げる要因はいくらでもあります。

    血圧に上と下があることはご存じですね。高血圧は安静時で、上が130以上、下が85以上の場合をいいますが、これが恒常的にみられる場合を高血圧症と呼びこのまま放置するとさまざまな合併症に見舞われることになるのです。ホームドクターに相談して健康管理をしましょう。また、血圧の薬は急に止めると動悸や高血圧の増悪をまねいたりと、体によくないことが起こることもありますが、主治医の指導の下に行えば決して飲み続けなければならないものでもありません。

 健康管理はあなた一人では出来ません。信頼できる相談者「ホームドクター」を持つことこそ大事なのです。

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14.めまい・ふらふら感がします。歩くとき宙に浮いたような感じです。まっすぐ歩きにくいです。

    あなたは頸のこりや肩こりはありませんか?また、耳鳴りはありませんか?ムカムカはありませんか?頚椎症、椎骨脳底動脈循環不全、突発性難聴、良性頭位変換性めまい、メニエル症候群などが考えられます。医師を受診して下さい。

 適切な内服や点滴処置があるはずです。また、頭部CT検査も必要でしょう。やっかいな病気の前兆のこともありますので早めに受診しましょう。頚椎症の場合はリハビリ治療などが望まれます。

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15.息切れがする。

    この単純な症状の中にいかに多くの病気の可能性があるか、それくらい症状だけでは何とも言えません。

 貧血のこともあれば、高血圧症のこともあれば、肺の病気(COPD)・心臓の病気のことだってある。血液の病気かも知れない。ぜひあなたの主治医を訪ねて相談してみて下さい。

 診察それから検査をしてあなたの体の中に潜む病気が明らかになるでしょう。 

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16.アルコール飲酒はどれくらいまでならよいですか。

    アルコールといっても酒、焼酎、ビール、ウイスキー、ブランデー、ワイン、ウオッカ、カクテルなどなどさまざまです。また、一人一人耐容量も違います。ですがあえて言えば、日本酒(酒)なら2合以内、肝臓病の患者さんですと1合以内が目安です。それも毎日ではなく休肝日を設けての話しです。

 高尿酸血症や脂肪肝・肝炎・肝硬変・肥満などのある方の場合、主治医とよく相談されないととんでもないことになります。

 毎日3合5〜10年で脂肪肝、5合5年〜10年で肝硬変とも言われます。無茶はひかえましょう。 

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17鼻水・くしゃみで悩んでいますが、みんなが花粉症で苦労する頃より少しずれます。なぜ?

 イネ科・雑草などの植物も最近アレルギーの原因として多いので、一度チェックしてもらうとよいです。アレルギー性鼻炎になっているかも知れません。花粉としてはスギ、ひのきがあまりにも有名ですがそればかりではないのです。慢性的な場合は「ハウスダスト・ダニ・動物上皮・食物」などに対するアレルギー検査を受けてみて下さい。

 また、これに慢性副鼻腔炎などが合併している場合は、耳鼻科の受診をされた方がよいでしょう。

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18.ちかごろ手が震えるようにある。何か病気?

  「手が震える」という症状で一番多いのは「特発性振戦」です。しかしパーキンソン病、小脳の病気、甲状腺の病気などのこともあります。医師の診察を受けて下さい。

 手の震え以外の症状はありませんか?たとえば、頭がこきざみに震えるとか、歩くときに足が前に出にくいとか、動作がのろくなったとか、顔の表情が乏しいとか、前のめりに歩くとか、歩行が不安定でよく転ぶとか、体重がやせたとか、多汗症(よく汗をかく)があるとか、言葉が少ししゃべりにくいとか、飲み込みが悪くむせるとか・・・

 思い当たる症状はメモして医師に告げましょう。

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19.胃に潰瘍ができている-と言われました。薬で治るのでしょうか?

 胃潰瘍であれば、深い再発性の難治性の潰瘍を除いて、たいていは薬で治ります。ただし、胃のレントゲン検査でそう言われたのなら、ぜひ胃の内視鏡検査も受けておくことをお勧めします。時々胃がんとまぎらわしい潰瘍があるからです。

また潰瘍といっても、年齢と潰瘍が出来る胃の場所などにより、多少、性質と原因が異なる傾向があります。@胃の出口近辺(幽門)に出来るものはストレスや薬剤などが原因のことがあります。また、最近ではピロリ菌の感染が原因となっている例もみられます。(ピロリ菌については別記します。)A胃の真中(胃角部)に出来るものは最も一般的です。B胃の真中(胃体部大湾)に出来るものはピロリ菌との関連があり、たまに悪性リンパ腫と診断されるものも含まれます。C胃の上部(体部小湾)のものは高齢者に多く見られ、わりと、難治性で出血しやすいものが含まれます。

いずれにしても、潰瘍と診断されたら、しばらくは薬を飲み続けることが大事です。途中で勝手に止めると完全に傷が治っていなかったり、再発したり、します。

胃潰瘍で手術になる例としては、出血性胃潰瘍で内視鏡で止血出来ない場合、潰瘍歴が長くてべんち性で難治性となっている場合、ガンが疑われる場合などです。

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20.胃の中に棲むピロリ菌って何ですか? 何か悪さをするの!?

 ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリと言います。胃の表面や胃の粘膜内に入り込んで、窒素源を栄養として取り込み、アンモニアを作り自分の体表面を包んで胃液の攻撃から身を守っています。数本の鞭毛を有し、活発に粘液内を泳ぐことが出来ます。胃の粘膜内に深く入り込んでいるピロリ菌は、胃に炎症を起こしながら長い間住み着きます。この間に胃炎・胃潰瘍・胃がんの原因になったりするのです。

ピロリ菌を除菌する方法はほぼ確立されており、海外では積極的に行なわれる治療ですが、この度やっと日本でも保険での治療が認められました。貴方の胃の中にこの菌が棲みついているか否かは検査で手軽に迅速に調べられます。

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21.骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と言われました。治療が必要ですか?

 40歳を過ぎた頃から、骨が減っていきます。女性は男性に比べて骨の減り方が激しいです。個人差がありますが、同世代の平均値と比較して、低くなっている場合は、早めに治療を開始する方が賢明です。かなり進行してからでは、なかなか骨も増えませんし、だいいち圧迫骨折の危険性が出てきます。骨がもろくなれば、あちこち変形して筋肉に無理がかかって痛んだり、さらにひどくなれば神経を圧迫して神経痛が出たりします。カルシウムを多く含む食品を摂りながら日光にあたることも大切です。活性ビタミンDが不足していると、いくらカルシウムだけ摂っても骨は増えません。正しく治療し、骨美人をめざしましょう。また、ステロイド剤・ホルモン剤による薬物性骨粗鬆症には原因となる薬物を、主治医の管理下で減量・中止の方向へともっていければ幸いでしょう。しかし、なかなか出来ない場合もあります。また、人工透析を受けておられる方の場合も、骨粗鬆症を合併し易いので主治医とよく相談されて定期的にチェックしてもらって下さい。

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22.高血圧でちりょうちゅうですが、下の血圧が高いといわれました。なぜですか?

 血圧にはご存知のように上と下(収縮期と拡張期)があります。下が高くなるのは主にストレス(交感神経過緊張)と筋緊張と動脈硬化症です。下を下げる血圧の薬は、従ってその原因により使い方が異なります。正しく薬を服用し、首・肩の凝りをとるようにすればOKです。下が高いという人のほとんどは、神経質・ストレスを感じやすい体質の方が多いです。ただし、一度、腎機能・副腎をくわしくチェックしておく必要があります。

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23.中性脂肪が高い値で、エコー検査で脂肪肝と言われた。これはコレステロールとは関係ないの?

 中性脂肪は、皮下や肝臓、筋肉などに蓄積するタイプの脂肪であり、コレステロールが血管にたまるのとは異なり、肝臓に蓄積した場合には脂肪肝という状態を引き起こします。脂肪肝のまま放っておくと疲れやすくなり、また糖尿病を併発します。主に運動不足・甘いものの間食のしすぎに注意して下さい。目安は体重です。体重を減らして下さい。体脂肪率が高い場合も要注意です。内臓肥満です。適度に運動してカロリーを消費するのもよい方法です。特にまだ、若いうちから運動すれば足腰の鍛錬にもなります。年を重ねて腰や膝が痛んでからでは運動できませんから。

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24.体脂肪率って何ですか。近頃はよく体重計に付属して測れるようになっているものもあるようですが・・・?

 体脂肪率はBMI(Body Mass Index)ともいい、肥満度をあらわす指標です。次のような計算式でも求めることが出来ます。BMI=体重(Kg)/(身長*身長(m)) 正常範囲は 20〜24%、男性は25%以上、女性は30%以上が肥満といわれています。たとえ、標準体重でも肥満ということがあります。それが内臓肥満症です。気がつかないうちに、脂肪肝になっている場合などです。(関連文 Q23 も読んで下さい。)

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25.手のしびれ、足のしびれがとれません。整形外科へ通院治療しても治りません。MRIで神経は異常ないそうです。

 なかなかむつかしいですね。MRIで異常ないということは、神経を圧迫するものはないということですね。要するに手術が必要な病態ではないということです。ということは、かえって治療が困難ということです。こういう場合はツボへのレーザー治療が奏効することがあります。また、メチコバールなどの神経によいビタミン剤の内服も効果が期待できます。でも、結果的にはしびれとなかよく付き合っていくしかない場合も多いのです。血液循環改善剤の内服も効果が期待できます。気長に治療しましょう。

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26.高血圧で治療中ですが、上の血圧が180〜200近くあり、下の血圧も高く(110〜120)心配です。

 β−ブロッカーで心臓の心筋を保護しながら、働きを調節して、α−ブロッカーで下の血圧を下げます。しかし、その前にストレス性の血圧上昇を考えて別の薬を試してみます。それでも下がらない時はα−、β−各々のブロッカーを併用して血圧を調整します。カルシウム拮抗剤のみで下がる場合もあります。家庭でも血圧手帳を正しくつけて、自分の血圧に関心を持ちましょう。また、腎血管性高血圧の場合にはそれ用のお薬があります。腎血管性かどうかは血液検査でわかります。

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27.帯状疱疹ができました。後遺症が長引く場合があると聞きましたが・・・。また再発もあるんですか?

 帯状疱疹というのは、体力が低下したり疲れた時に、水痘・帯状疱疹ウイルスが眠りから覚めて増殖して体の表面にブツブツ水疱疹として現れる病気です。痛み・かゆみを伴い神経に沿って出来るために、神経痛やしびれ感などの後遺症が残る場合があります。感染初期に十分の量の薬を使用すれば、たいていは治ります。顔面神経・三叉神経領域に出来た場合は、神経ブロックの鎮痛処置が必要なこともあります。注意して欲しいのは、この病気にかかったら、治った後で全身の精密検査(胸部X線、胃と大腸のレントゲン検査か内視鏡検査、などなど・・・)が望ましいです。なぜなら、前述したように体力の低下している時に出やすいので、癌などないかどうかをチェックしておくことが無難なのです。実際,肺癌が見つかったり、大腸癌が見つかった例があります。

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28.パーキンソン病ってどんな病気?

  最近増えているように思います。厚生省指定の特定疾患に入っています。大脳の中心部にある基底核という所の細胞が変性し機能低下することで起こる病気で、顔の表情が乏しくなり、歩行時に手の振りがなくなり、動作時体の動きが鈍く、また細かい動作が出来にくく時間がかかるようになって、次第に歩けなくなったり寝たきりになる病気です。姿勢反射障害により突進したり、後ろ向きに倒れたりします。また、筋肉の強縮で手足が硬く動かしにくく固まったりもします。一度専門医に診てもらって薬の種類と量を決めてもらったら、毎日運動・体操をしながら、正しく服薬し、定期的に年に何回かは専門医を受診するようにして下さい。ゆっくりと進行する病気ですが、軽いうちに正しく治療することが大切といえます。

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29.嘔吐下痢症が流行っていると聞きましたが、どんな病気ですか?

  冬(11月-3月)に多い病気です。ノロウイルスやロタウイルスが原因でおこる。白色便が2-3人に一人みられ、嘔吐・下痢を主症状とします。乳幼児やお年寄りに起こると脱水症状を起こすことがあります。点滴などで治療しますが、家庭での水分補給・食餌療法が大切です。こじれると、アセトン血性嘔吐症になり、薬さえも受け付けない状態になりますので、この病気を知って養生することが重要です。

 

30.花粉症の正しい予防、治療法を知りたい。

花粉症は年々進行する病気です。正しい理解のもとに予防策を講じなければ、どんどんひどくなります。

 外出前に点眼、点鼻を行っておくこと。

マスクを持って出かけること。つけるとなおよい。

帰宅したら、(屋内にもどったら)うがい・洗顔をする。

花粉症のお薬には、抗アレルギー薬(毎日、シーズン中ずっと飲むこと。症状がなくても飲む必要があるのがミソです。)と抗ヒスタミン薬(症状の出たときのみ飲む。)とがあります。

 注射薬(ステロイドホルモン)の筋肉注射は、症状がひどくてつらい場合に行うが、(花粉スコアが高くて重症の場合にもあらかじめ注射することがあります。)これはあくまで症状を抑える薬です。花粉症の進行を予防できません。

そこで、たとえ、注射を打って症状が消えても、必ず毎日・シーズン中は、抗アレルギー剤を飲まなければならないのです。

これが守れていないと毎年花粉症の注射をして症状をとっているのにアレルギーは進んでしまうという最悪の事態が起こります。

正しく花粉症を知って予防しましょう。

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